「画竜点睛」俺の絵には決定的にかけているなにかがある絵師の栄三郎は、欠けているなにかを見つけるために、芸妓をあげてどんちゃん騒ぎをやるが、その女達の中におつるはいた家老の息子と、おつるを奪い合いながら、栄三郎は絵の完成に邁進する。絵に欠けていたものと、人生に欠かせないものとを対比させながら、見事に描き上げた山本周五郎の傑作小説お聞きください。扇野は、1954年(昭和29年)1~2月『面白倶楽部』に発表されたわけですが、虚空遍歴は、1961年(昭和36年)3月~翌々年2月『小説新潮』。ともに五十代での...