
PLENUS RICE TO BE HERE
J-WAVE
この番組は作家・文献学者の山口謠司が、日本の食文化を通して全国各地で育まれてきた“日本ならではの知恵”を紐解くポッドキャストです。(FMラジオ局 J-WAVE 81.3FM では毎週月曜日から木曜日 15:10〜15:20にオンエア中。)
http://abocavo.a.la9.jpwww.plenus.co.jphttps://kome-academy.com/www.eau.co.jp
Location:
United States
Networks:
J-WAVE
Description:
この番組は作家・文献学者の山口謠司が、日本の食文化を通して全国各地で育まれてきた“日本ならではの知恵”を紐解くポッドキャストです。(FMラジオ局 J-WAVE 81.3FM では毎週月曜日から木曜日 15:10〜15:20にオンエア中。) http://abocavo.a.la9.jpwww.plenus.co.jphttps://kome-academy.com/www.eau.co.jp
Language:
Japanese
Episodes
EP. 536『@松島 、其ノ三 - エンヤドットエンヤドット、ナマリブシを食べたいギョー』
12/9/2025
エンヤドットエンヤドットの掛け声でおなじみ、松島を代表する民謡「大漁唄い込み」。カツオ漁などの大漁を祝う歌でした。今では珍しくなったと言われる「ナマリブシ(生利節)」で、松島のカツオをいただきました。通常のかつお節か何度か燻製を繰り返して作るのに対して、「ナマリブシ」の燻製は一度だけ。だからなのか、カツオそのままの味が、芯のあたりに残っていて絶品でした。松島ではこうしてカツオをいつでも食べられるように工夫を凝らしていました。
Duration:00:08:56
EP. 535『@松島 、其ノ二 - かまぼこ・ポワソン・キュイットリー』
12/8/2025
松島に行くと「笹かまぼこ」が売っています。かまぼこはフランスの「シャキュイットリー」に匹敵するものだと思います。ハム・ソーセージ・やテリーヌ。肉に火を入れた加工食品のことです。かまぼこもさかなに火を入れてつくっていることからいわば「ポワソン・キュイットリー」です。「笹かまぼこ」は、松島ゆかりの伊達家の家紋「竹に雀」の竹の笹にちなんで名付けられたそうです。その焼き目がつけられたかまぼこは、蒸したかまぼことは違う、見た目のおいしさも醸し出しています。
Duration:00:08:55
EP. 534『@松島 、其ノ一 - 手間を掛けて焼く紅蓮』
12/7/2025
松島で、お米を使った「紅蓮」というお菓子を頂いて来ました。炭火で焼くとグネグネと生き物のように動いて、表と裏をひっくり返すとちょっと焦げ目がついて、いい香りがします。まさに手間ひまをかけて作られているからこそ味わい深いお菓子なんですが、実はこの「紅蓮」は鎌倉時代の尼さんの名前から付けられています。そこにはどんな物語があるのでしょうか?
Duration:00:08:55
EP. 533『@塩竃 、其ノ四 - 阿部勘、鶏、金魚酒』
12/3/2025
宮城県・塩釜で訪れた蕎麦店「しおがま庵」店の向かいに立つ大鳥居は、東日本大震災の津波が“そこで止まった”場所。その4メートル下にあった酒蔵・阿部勘さんは津波で大きな被害を受けましたが、見事に復活。こちらでは、縁起の良い「ミミズク」と「鶏」のラベルを2枚重ねたお酒を販売しています。めでたさを取り込み、災厄を乗り越え、日々にメリハリをつける。そんな塩釜の知恵は、お酒の一滴にも宿っています。
Duration:00:08:55
EP. 532『@塩竃 、其ノ三 - 菊そばとのりのせかけそば』
12/2/2025
塩釜の「しおがま庵」というそば屋さんで、そばに菊を練り込んだ「菊そば」をいただきました。このお店は月ごとに、旬のものを使った変わりそばを提供しているようです。お店の近くには「曲水」があり、平安時代から塩釜が「憧れの地」であったことがしのばれます。また、お店には「花巻」というメニューがありました。宮城県七ヶ浜で採れたおいしいのりをちりばめた「かけそば」です。これだけでふつうのかけそばとは、全然違った味わいがあるそうです。
Duration:00:08:54
EP. 531『@塩竃 、其ノ二 - 見せ塩 振り米』
12/1/2025
塩はなくてはならないものです。盛り塩にして「結界」を作ったりするだけでなく、病にかかっている人に塩を見せて(見せ塩)、耳元で米を振る音を聞かせる(振り米)と、病魔が退散するとも信じられていました。塩釜にある「鹽竈神社」に祀られている塩土老翁神(しおつちおじのかみ)は、人々に塩の作り方を教えたといわれています。日本各地、そして世界各地においしい塩がたくさんあります。料理によって塩を変えてみると味も気分も変わります。それだけでなく気分が優れないとき、自分自身に塩をふりかけてみると、気分が一掃されるかもしれません。
Duration:00:08:55
EP. 530『@塩竃 、其ノ一 - おいしい藻塩、おいしいおにぎり』
11/30/2025
塩竈の”塩”にまつわるお話。玉藻という藻についている海水についた塩から作った「藻塩」を使った「塩おにぎり」、とっても美味しいです。宮城県・加美町の近くで栽培された「ササシグレ」というお米で作った「藻塩のおにぎり」を食べて来ました。私が訪ねた農家では、合鴨農法で「ササシグレ」を育ているそうです。塩竈神社では、今も、藻塩を作る神事が行われています。
Duration:00:08:55
EP. 529『@出石 、其ノ三 - ピーマン・パプリカ、無の世界』
11/26/2025
兵庫県豊岡市・出石の地で出会ったのは、驚くほど甘く、噛むほど旨みが深まる“生食できるピーマン”。苦味のイメージを覆すその味わいは、育てた人の技と土地の力によって実現した、まっすぐで豊かな野菜本来の味です。そして町を見上げると目に入るのが、長崎から運ばれた日本で二番目に古い時計台「辰鼓楼」。さらに町を歩けば至るところに掲げられている「◯に無」の旗印。“自分を無にして仕える”という覚悟から生まれたこの文字は、今もなお、出石の精神性を物語る象徴的な言葉です。ピーマンの「無」に何を詰めるか・・・それは自由で無限です!
Duration:00:08:54
EP. 528『@出石 、其ノ二 - まっしろい出石焼をながめては』
11/25/2025
まっしろな磁器の小皿に盛って出される独特なスタイルの出石のそば。最初に出されたときはドギマギしました。この出石焼の小皿の「白」は、この地で採掘される「柿谷陶石」を原石として、昔から使われてきました。江戸時代中期の1700年頃に信州上田藩の仙石氏(仙石政明)がお国替えとなり、出石にやってきます。その際、一緒にきた信州のそば職人の技法が伝えられ、出石そばが誕生します。白いお皿にのったそばを食べなから、歴史に、長野とのつながりに思いをはせてみるのもまた一興です。
Duration:00:08:54
EP. 527『@出石 、其ノ一 - 皿そば一人前五皿』
11/24/2025
江戸時代の町並みが残り、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている出石は、そば処でもあります。街にはおよそ40軒ものお蕎麦屋さんが軒を連ねています。5つの白い磁器の小皿に盛り付けて出されるという独特のスタイルの出石そば。街では「出石皿そば巡り巾着セット」が販売されていて、これを買い求めれば3軒のおそばを味わうことも可能です。薬味もつゆもさまざま。一日、タイムスリップしたように街を散策しながら、お腹が空いたらおそばというのも出石の楽しみです。
Duration:00:08:53
EP. 526『@仙台 、其ノ四 - お昼こそお寿司』
11/19/2025
仙台でいただいたのは、七ヶ浜産のハマグリを使ったお椀。春のイメージが強いハマグリですが、「浜の栗」という名のとおり、秋のハマグリもまた格別の味わい。「煮ハマグリ」のお寿司も美味しいですが、若き寿司職人たちが握る、力のこもった一貫と、修行のために“握らない”という覚悟。それぞれの形で「寿司」と向き合う姿に、食の奥深さと人の温かさを感じます。お昼こそ寿司!シャリの量に込められた小さな工夫にも、江戸前の知恵と粋が息づいています。
Duration:00:08:55
EP. 525『@仙台 、其ノ三 - カラスミ茶漬けの後は羊羹』
11/18/2025
仙台というと「夏目漱石」を思い浮かべます。なぜか…? 実は東北大学に漱石の膨大な蔵書や資料が「漱石文庫」として所蔵されているからです。 東北大学の図書館の館長であった愛弟子の小宮豊隆が、漱石の功績を残そうと、東京の漱石宅から搬入し、それによって戦災での消失を免れたのです。そんな東北大学の創立100年を記念して「吾輩は羊羹好な猫である」という漱石にちなんだ羊羹も発売されました。私の大好物の「唐墨のお茶漬け」と漱石の大好物だった羊羹。この組み合わせで食べると漱石の文学がサラサラっと入ってくるような気がします。
Duration:00:08:53
EP. 524『@仙台 、其ノ二 - 芋がらの汁と文学と』
11/17/2025
仙台の人にとって、なくてはならない食材「芋がら」。里芋の茎の部分を干したものです。これを煮物、酢の物にします。若い頃、医学を学ぶため仙台に住んでいた中国の文学者・魯迅(ろじん)は、この「芋がらの汁」を食べたがのどを通らなかったと書き記しています。魯迅は、仙台で人生の師に出会い、医療の最先端を学びます。医療で中国を近代化するためでした。しかし、その授業の最後に見た「日露戦争の映像」で衝撃を受け、そのまま文学に転向します。芋がらの汁の味は苦難の味となり、魯迅を世界を変える文学者へと進ませたのでした。
Duration:00:08:54
EP. 523『@仙台 、其ノ一 - フカヒレ 翼を持たずに生まれてきたとするならば』
11/16/2025
仙台で「フカヒレスープ」を頂いて来ました。美味しいですね。宮城県の気仙沼は、昔からサメ・フカ漁が盛んでした。フカのヒレを乾燥すると最高級の「フカヒレ」になります。江戸時代、仙台藩は、この「フカヒレ」を中国に輸出して、莫大な利益を得ていました。そんなフカの中でも、ずっと泳ぎ続けていなければいけないホオジロザメを見ていると、ココ・シャネルのこんな言葉を思い浮かべます。『翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を生やすためにどんなことでもしなさい』
Duration:00:08:53
EP. 522『@豊岡市 、其ノ四 - たとえ磁場が変わっても』
11/12/2025
兵庫県豊岡市、ここで育まれた但馬牛は、赤身の柔らかさと、口の中で柔らかく溶ける脂の甘みで知られます。
そんな豊岡の象徴のひとつ「玄武洞」は、五角形の玄武岩柱が並ぶ神秘的な洞窟です。
後にこの地の岩石を研究した松山基範博士が、「地球磁場の逆転」という世界的発見を発表しました。
たとえ磁場が変わっても、北を守る玄武のように、変わらぬ食の力が、私たちの暮らしを静かに支えてくれています。
Duration:00:08:52
EP. 521『@豊岡市 、其ノ三 - 食の近代化』
11/11/2025
豊岡市を含む兵庫県北部は、かつて「但馬」と呼ばれ、金・銀・銅をはじめ多種の鉱物が採掘できるエリアで、日本の歴史に深く関わりながら発展しました。古くは奈良の大仏を作るために銅やすずを献上し、明治時代以降は、国の近代化を支えた科学技術の原材料となりました。
江戸時代までは、箸だけを使って食事をしていましたが、近代化によって、西洋からナイフ・フォーク・スプーンが入ってきます。
その原材料にもなりました。
そうした鉱山は「鉱石の道」として日本遺産にもなっています。
Duration:00:08:52
EP. 520『@豊岡市 、其ノ二 - お米が出来なければ、バッグを作る』
11/10/2025
豊岡には、「杞柳細工」という伝統工芸があります。たくさん自生しているコリヤナギという柳の一種を使って、さまざまなカバン、お弁当箱が作られています。
もともと、豊岡を流れる円山川の氾濫が多く、米が収穫できなくなり、生活のため始められたものでした。
明治以降は「行李」が生まれました。
市内にある販売店を訪ねると、様々なお弁当箱かばんが置かれていて、選ぶのに迷ってしまいます。
自分で作ることのできる講習もあるので、参加してみてはいかがですか。
Duration:00:08:52
EP. 519『@豊岡市 、其ノ一 - いつの間にかいなくなったコウノトリ』
11/9/2025
豊岡市で、特別栽培米「コウノトリ育むお米」というおいしいお米を食べて来ました。
一度絶滅したコウノトリを再生するために作った田んぼで育ったお米です。コウノトリが生息していくために、田んぼの周りにいる生物が30種類以上できれば50種類ぐらい生息していることが必要と言われていますが、そんな田んぼで作られたお米はやっぱり美味しいんです!
Duration:00:08:54
EP. 518『@城崎温泉 、其ノ三 - 城崎温泉寺薬師堂』
11/5/2025
兵庫県の「城崎温泉」は、1300年もの歴史を誇る日本有数の古湯。
奈良時代、コウノトリが傷を癒したという伝説をきっかけに発見されたと伝わっています。
明治以降は海軍や陸軍の療養地としても発展し、人々の体と心を癒してきました。
文豪・志賀直哉も滞在した老舗旅館「三木屋」では、かつて宿泊客が自炊をして過ごしたという、温泉本来の“湯治”文化の名残が今も息づきます。
温泉街に佇む「温泉寺薬師堂」には、薬師如来が祀られ、湯そのものが“薬”として人々を包み込みます。
体を温め、薬膳を味わい、病を遠ざける——。
古来より続く癒しの知恵が、今日も静かに湯けむりの中に漂っています。
Duration:00:08:54
EP. 517『@城崎温泉 、其ノ二 - 湯治は、カニ料理の数 × お湯の数』
11/4/2025
冬になると全国から「カニ好き」が集まってくる城崎温泉。城崎のある日本海西部は「ズワイガニ」の宝庫です。
それぞれの地域でブランド付けられています。
城崎で提供されるのも「津居山ガニ」「香住ガニ」「柴山ガニ」と3種類。
これを「お刺身」「茹でる」「焼く」「鍋にする」とカニの代表的な4つの味わい方で一日一回食べるとしたら3✕4で12日必要です。
さらに城崎温泉の人気の「外湯」6つを巡りながら食べるとすると、さらに6をかけて72日。
城崎温泉はそのくらい湯治に行きたいと思わせてくれます。
Duration:00:08:54