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朗読のアナ 寺島尚正

Books & Literature

ラジオアナウンサーは言葉を読み語る表現者。 文化放送から、四十年にわたってリスナーに語りかけている寺島尚正アナウンサーがさまざまな作品を朗読します。 その声が紡ぎ出す物語に耳をすませ、語りから無限に広がる想像力、日本語の奥深さをご堪能ください。

Location:

United States

Description:

ラジオアナウンサーは言葉を読み語る表現者。 文化放送から、四十年にわたってリスナーに語りかけている寺島尚正アナウンサーがさまざまな作品を朗読します。 その声が紡ぎ出す物語に耳をすませ、語りから無限に広がる想像力、日本語の奥深さをご堪能ください。

Language:

Japanese


Episodes
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菊池寛 「風雲児、坂本龍馬」

4/29/2024
菊池寛が歴史について書いた作品は、大衆向けでわかりやすくエピソードなどを織り交ぜながら飽きさせずに歴史の面白さを教えてくれます。特に時代を動かした人物については、ポイントを抑えながら生き生きと描き出すことに定評がありました。

Duration:00:09:57

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山本周五郎 「粗忽評判記」

4/19/2024
山本周五郎の滑稽ものには、ときおり粗忽者が登場します。この短編には幾人もの粗忽者が登場しますが、舞台が落語の長屋と違い堅苦しい作法にしばられた武家社会だけに、ひと味違う可笑しみがあり、劇的な役割を果たすことになります。

Duration:00:54:54

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渡辺温 「恋」

4/12/2024
夏の休暇で海辺のホテルを訪れた女優は、そこで見かけた男性に一目惚れします。互いを知っていく二人は、不思議な縁で繋がっていました。昭和モダニズムの頃に、新時代の感性を取り入れた作品を発表した渡辺温の短編です。

Duration:00:13:40

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岡本綺堂 「百物語」

4/8/2024
人々が夜に集まって怪談を語り合う百物語。そこで語られる怪談だけでなく、百物語という催しそのものが、不穏で猟奇性を帯びて感じられます。上州の若侍たちが山寺で行った百物語の最中に、不思議な女があらわれます。それは妖怪でしょうか、なにかの予兆だったのでしょうか。

Duration:00:14:36

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吉川英治 「日本名婦伝 小野寺十内の妻」

4/5/2024
赤穂藩浅野家の小野寺十内は文武に優れ、京都留守居役を務めながら愛妻とともに初老をむかえました。そのまま何事もなければ悠々自適の老後となるところでしたが、松の廊下の切腹事件が起こり、夫婦の晩年は一変します。それぞれの本分を尽くした夫婦の物語です。

Duration:00:34:14

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薄田泣菫 「春の賦」

3/28/2024
明治から戦前の昭和に詩人として一時代を築いた薄田泣菫は、味わい深い随筆でも人気でした。人生の晩年に春を感じて心に浮かぶさまざまな思いを、詩人らしいフレーズを織り交ぜながら、訥々とした語り口で浮かび上がらせます。泣菫は春にまつわる作品が多く、春の甲子園の2代目大会歌「陽は舞いおどる甲子園」の作詞家でもあります。

Duration:00:08:42

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山本周五郎 「一人ならじ」

3/18/2024
主人公は合戦の最中に、まさに身を捨てた激烈なやり方で味方の攻撃を支え戦を勝ちに導いたものの、評価をされないばかりか陰で嘲られるような境遇に陥ります。彼には出世よりも貫きたい武士の道があり、意外なところに理解者がいました。

Duration:00:41:17

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田中貢太朗 「切支丹転び」

3/7/2024
徳川幕府の初期、厳しくキリシタンを弾圧した役人が、現れた幻士に惑わされ、運命を翻弄されます。田中貢太朗は幅広い分野で作品を発表しましたが、なかでも大いに筆をふるった怪談奇談の代表的な短編です。

Duration:00:26:56

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夏目漱石 「処女作 追懐談」

3/4/2024
ご存じのように夏目漱石の「吾輩は猫である」は、日本の近代文学史を語るときに欠かすことの出来ない重要な作品です。視点は新鮮で語り口は軽妙、面白く読ませながら人間について考えさせます。この作品が世に出るには、さまざまな偶然があったことが語られます。

Duration:00:13:55

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国木田独歩 「初恋」

2/27/2024
十四歳の少年が、村のみんなから気難しいといわれている漢学の老先生と口論になるところから話がはじまります。タイトルの「初恋」にどのようにして進んでいくのかを楽しみにお聞きください。人は実際に触れ合うことで本当に理解しあえ、そこから縁がつながっていくというお話です。

Duration:00:11:37

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宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」

2/21/2024
孤独な少年ジョバンニと友人のカムパネルラが天空を旅する「銀河鉄道の夜」の原稿は宮沢賢治の死後に発見されました。推敲を重ねた第4次稿までありまだ未完成とされていますが、それでもなお発表され、読みつづけられてきました。結末も2種類ありますが、この朗読では4次稿の方を採用しています。

Duration:02:16:17

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夏目漱石 「僕の昔」

2/16/2024
談話をベースとした漱石の軽妙な語り口を楽しめる随筆です。生まれ育った環境や、「坊ちゃん」の背景などに触れつつ、駆け足で人生前半を語ります。幼い頃の漱石に影響を与えたであろう破天荒な兄たちの様子が愉快です。

Duration:00:13:15

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新美南吉 「手袋を買いに」

2/13/2024
雪の降った日の夜、母さん狐は手のかじかんだ狐の坊やを町に手袋を買いに行かせます。幼い狐が森閑とした山から灯のともった町へと向かう情景が、童話の世界へといざなってくれます。新美南吉の代表作のひとつです。

Duration:00:14:11

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寺田寅彦 「子規自筆の根岸地図」

2/8/2024
寺田寅彦はかつて正岡子規から渡された手書き地図を見て、当時のことに思いをはせます。子規が亡くなるまでのおよそ8年半を過ごした東京都台東区根岸の地図です。寺田は地図をみて思いたち、三十年来ぶりに鶯谷から根岸あたりを訪ねてみました。

Duration:00:10:08

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山本周五郎 「蕭々十三年」

1/30/2024
「蕭々」は物寂しいさまをあらわす言葉です。家来として藩主に尽くすことを本分とした男は、狂おしいほどに滅私奉公に打ち込むあまり、相手の気持ちやまわりが見えなくなってしまいます。そのためにしくじって藩主の不興をかい藩を去ったのち、ある事件が起こります。

Duration:00:32:09

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牧野信一 「祖母の教訓」

1/25/2024
牧野信一は大正から昭和の初めにかけて、日本近代文学の躍動期を駆け抜けるように生きた作家にして詩人です。17年の作家生活でスタイルを変えながら、優れた短編を残しました。父母とは距離があり、祖父母に溺愛されて育ったといわれています。

Duration:00:08:22

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山本周五郎 「おかよ」

1/20/2024
男女の恋愛感情は今も昔も変わりませんが、男女のあり方は時代によって大きく違います。心を通わせた引っ込み思案の若い足軽と茶店の采女、二人の恋愛の行く末を描いた作品です。立場が変わっていくなかでの、当時の女性の処し方をどのように感じられるでしょうか。

Duration:00:35:19

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小津安二郎 「映画界・小言幸兵衛―泥棒しても儲ければよいは困る」

1/15/2024
この随筆には「阿呆が監督しても客は来る」という副題もついています。映画産業が最盛期を迎えた一方で、テレビがあらわれて映像表現が分岐点を迎えた時期に書かれました。メディアの特質に合わせて多様な映像が量産される時流のなかで、小津安二郎は表現の本質が失われていないかと警鐘を鳴らします。

Duration:00:18:13

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芥川龍之介 「沼地」

1/10/2024
いつの世も発表された作品は批評や感想にさらされます。いかに作者が人生を捧げ心血を注いだ作品であっても、ときには作品の価値と向き合わない気まぐれや予断に満ちた意見が、作者を毀損することもあります。芥川が創造することの苦しみを見つめた小品です。

Duration:00:08:27

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渡辺温 「或る母の話」

12/25/2023
母一人子一人の家庭で不自由なく育った娘が適齢期を迎え、選んだ相手を母親に紹介すると、母親は予想をしていなかった反応をみせます。若きモダニズムの旗手として、編集者としても作家としても将来を嘱望されながら、20代で早逝した渡辺温のひねりを利かせた短編です。

Duration:00:26:23