Location:

United States

Description:

Podcast

Language:

Japanese


Episodes
Ask host to enable sharing for playback control

【A147】新・書物の解体学

8/14/2015
【A147】新・書物の解体学 時間:136分(うち質疑応答16分) 音質:2 ジャンル:文学 講演日時:1992年11月24日 主催:前橋市・煥乎堂 場所:前橋テルサ 8F けやきの間 収載書誌:未発表 音源について 「マリ・クレール」に連載された 書評集成である 『新・書物の解体学』が 同年8月に刊行されたことに際して 行われた講演。 テープ交換以降は 声が曇り聞きとりづらい。 講演より 〈健康な文学〉と〈健康でない文学〉ということで いまの文学を分けてしまったら、 いったいどういうことになるかというと、 本当の健康な文学というのも、 本当に病的な文学というのも、 両方とも描かれていないというのが 現状ではないかと思います。 やかましい書評をしてみれば、 そういうことになってしまうのではないかと思います。 「本を読むこと」は、必ずしも すぐれた作品にぶつかることであるとも限らないのです。 しかし、そのなかから何か搾り取ることが、 本の読み方で、さしあたっていちばんいい 読み方なのだとすれば、 見かけ上の健康さと不健康さの後ろに真実らしさとか、...

Duration:02:16:27

Ask host to enable sharing for playback control

【A024】政治と文学について

8/14/2015
【A024】政治と文学について 時間:45分 音質:2 ジャンル:文学 講演日時:1971年5月8日 主催:三田文学 場所:慶應義塾大学 三田校舎 収載書誌:弓立社『敗北の構造』(1972年) 音源について 文芸誌「三田文学」の主催。 録音者の話し声や 周辺のノイズが入り、 音質はあまりよくない。 講演より 去年の暮れ、三島由紀夫さんが、政治と文学について、 非常にショッキングなあり方を提供してくれました。 「芸術家が実行家に拮抗しうるとすれば、 死を描写するだけでなくて 自分が死んで見せなくちゃだめじゃないか」 というのが三島由紀夫さんの考え方のように思われます。 三島さんは自らその考えを実行されたわけですから、 そこのところで何もいいたくない気持ちですが、 考え方としては たいへん古い考え方というほかないと思います。 そして三島さんは、文学芸術の創造ということと、 それが書物として流布される過程とを、 うまく区別できていなかったのではないでしょうか。 創造の行為と、それが書物となって流布されることとは、 違うということを、本当の意味ではあまり...

Duration:00:45:18

Ask host to enable sharing for playback control

【A064】文学の新しさ

8/14/2015
【A064】文学の新しさ 時間:120分(うち質疑応答25分) 音質:5 ジャンル:文学 講演日時:1982年1月21日 主催:京都精華大学 学生部 場所:京都精華大学 収載書誌:未発表 音源について 京都精華大学大教室で行われた。 一般の人にも開放され、 他大学の学生の参加も多かった。 音源は主催者提供。 講演最後が欠けているため、 客席から録音したもので補っており、 この部分は聞き取りづらい。 質疑応答は冒頭と最後が欠けている。 講演より 現在の文学や芸術、芸能では、 実際の現実的な価値、物質的な価値に対して、 イメージの価値が大なり小なり付加されていて、 その全体を指してある価値様式を考えているというのが、 われわれがおかれている環境です。 このイメージの世界が大規模になると考えると、 誰にとっても管理されている時間帯は 増えていくだろうということが、 現在の「新しさ」の根底にある問題だと思います。 その問題をどう考えるかが、 現在の文学の根底にある問題だと思います。 この講演のテキストを読む

Duration:02:00:47

Ask host to enable sharing for playback control

【A155】中上健次私論

8/14/2015
【A155】中上健次私論 時間:60分 音質:3 ジャンル:文学 講演日時:1993年6月5日 主催:昭和文学会 場所:国学院大学常磐松2号館2階中講堂 収載書誌:未発表 音源について 昭和文学会の春季大会として 行なわれた講演。 当日は吉本隆明のほか 日高昭二氏らによる講演があった。 客席録音のためノイズが入るが 比較的クリアに収録されている。 講演より 〈都会に出た熊野人〉、 〈熊野という場所で育った熊野の子どもたち〉 というふたつの問題が、 中上さんの文学のふたつの足だと思います。 都会に出てきたアジア的田舎の人といえば、 ごくふつうになってしまいますが、 中上さんの作品のおもしろいところは、 都会に出てきたアジア以前の人、 つまりアフリカ的段階の人ということです。 それが中上さんの文学のひとつの特色です。 もうひとつの特色は、アフリカ的段階の自然、 つまり自然にまみれている自然人の子どもたちの特色を、 中上さんが非常によく描写していることです。 これが中上文学のふたつの足である、と思います。 この講演のテキストを読む

Duration:01:00:46

Ask host to enable sharing for playback control

【A015】実朝論

8/14/2015
【A015】実朝論 時間:299分 音質:5 ジャンル:文学 講演日:1969年6月5日/12日 主催:筑摩書房 場所:新宿・紀伊國屋ホール 収載書誌:中公文庫『語りの海2 古典とはなにか』(1995年)、弓立社『敗北の構造』(1972年) 音源について 2日間に分けて開催されたため、 途中で音質が異なっている。 音源は主催者提供。 吉本隆明はこの講演の2年後に 『源実朝』を刊行している。 講演より 文学にとって重要なことは、 どういう死に方をするかということだと思います。 なぜ文学にとって死に方が重要かといいますと、 死に方は、偶然には依存しないわけです。 ほとんど全面的に、作家あるいは詩人の思想、 資質そのものに依存するからです。 死に方が本質的でないと、 文学としてよみがえることができない、ということが いえると思います。 実朝という詩人は、中世では誰もが 西行と実朝というふうに数えざるをえない、 最大の詩人のひとりです。 実朝は鎌倉幕府の創始者であった源頼朝の次男で、 12世紀末から13世紀の初めにかけて生きた人ですが、 28歳で暗殺されています。...

Duration:04:59:05

Ask host to enable sharing for playback control

【A142】現代文学のゆくえ

8/14/2015
【A142】現代文学のゆくえ 時間:88分 音質:3 ジャンル:文学 講演日時:1992年10月5日 主催:東急文化村/ドゥマゴ文学賞事務局 場所:渋谷・シアターコクーン 収載書誌:未発表 音源について 吉本隆明が選者をつとめた 「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」 の記念講演。 この年受賞作に選んだのは 三田英彬氏による 『芸術とは無慚なもの― 評伝・鶴岡政男』 で、吉本の講演の後には 三田氏による講演があった。 音源は主催者提供。 講演より 現在、高度な先進的社会で流行っている イメージのつくり方が文学のなかにあります。 「自分の姿が自分で客観的に見えてしまって、 やっている行為自体がぜんぶしらけてしまう」 という描かれ方です。この問題は、引き延ばしてみると 現在の先進的な社会が当面している問題の大きな部分と 共通のところを占めていると思います。 先進的な社会のひとつである日本でアンケートをとると、 89%の人は「自分は中流の生活をしている」という 結果が出てきます。 これはある意味で不気味な数字だし、 たいへんなものだと思います。 世界の先進的な社会で、9割9分の人が...

Duration:01:27:44

Ask host to enable sharing for playback control

【A069】共同幻想とジェンダー

8/14/2015
【A069】共同幻想とジェンダー 時間:163分 音質:★★ ジャンル:思想 講演日時:1983年2月12日 主催:フォーラム・人類の希望/新評論 場所:四谷公会堂 収載書誌:弓立社『超西欧的まで』(1987年) 音源について 「いま、性と労働を問う」 のシンポジウムでの講演。 山本哲士氏の講演を受けはじまる。 講演後には吉本隆明、 山本哲士氏、河野信子氏による パネルディスカッションを収録。 テープチェンジのため音が欠ける。 音質はあまりよくない。 講演より 19世紀以降、資本主義社会の興隆期に入ってから、 なぜ男女の特性が生産労働過程で無視できると 考えられたのでしょうか。 マルクスの考え方は、労働時間の問題が重要なので、 どういう生産物をつくったか、 どういう質の労働を加えたかという差異は、 あったとしても大したことではないというものです。 イリイチの考え方からいうと、 こんな状態を許しておいたからこそ、 男女の賃金格差は拡がり、 女性は影の仕事に追い込まれるという事態が 生じてしまったことになります。 資本主義の一種の停滞成長期である現在、...

Duration:02:43:56

Ask host to enable sharing for playback control

【A039】枕詞の空間

8/14/2015
【A039】枕詞の空間 時間:114分 音質:4 ジャンル:文学 講演日時:1977年7月6日 主催:詩誌「無限」事業部 場所:明治神宮外苑絵画館文化教室 収載書誌:中公文庫『語りの海3 新版・言葉という思想』(1995年) 音源について 詩誌「無限」を発行していた 株式会社無限主催 「無限アカデミー・現代詩講座」 での講演。 ライン録音されたものではないが クリアに収録されている。 講演より 宮沢賢治に「林と思想」という詩があります。 この詩の根源的情緒は、昔の人のいい方でいえば、 霧をいう場合に「ほのゆける霧」、あるいは 「いさらなみ霧」と表現されたものだと思います。 大昔においては、現在では意味がつかめない言葉を、 枕詞として上につける習慣が詩に限ってあったのです。 この「いさらなみ霧」の情緒と、 宮沢賢治の詩の情緒というのはまったく同じです。 ただ古代人たちが自明の理として考えた 眼に見えないポエジーの空間──ふたつの言葉を 並べることによってそのあいだに 想定したポエジーの空間──だけを再現し、 再現の結果としての「ほのゆける霧」あるいは...

Duration:01:54:45

Ask host to enable sharing for playback control

【A165】顔の文学

8/14/2015
【A165】顔の文学 時間:117分 音質:3 講演日時:1994年11月24日 主催:本郷青色申告会 場所:本郷青色申告会館 収載書誌:未発表 音源について 音源は主催者から提供。 講演冒頭が欠けており、 客席録音だが比較的クリア。 講演より 人間の声というのは、 音で識別する顔の表情だということができます。 本当の顔の表情は目で見て識別するわけですけれど、 人間の声というのもやはりひとつの顔の表情なのです。 その場合の顔というのは比喩ですが、 声というのは音で識別する顔の表情だと いうこともできるわけです。 顔という言葉をそういう使い方をすると、 もっと極端な使い方ができます。 たとえば「おれの顔を立ててくれ」というでしょう。 文学と関係が深いのは、主として比喩としての顔、 あるいは顔の表情です。 日本の古典文学というのは、 「もののあはれ」を主題にした物語か、 そうでなければ「顔を立てる」物語かの ふたつに大別することができます。 いかに顔を立てるか、立てないかという問題、 つまり「顔の文学」というものは、 「もののあはれ」の文学と同じように民族の深層、...

Duration:01:56:58

Ask host to enable sharing for playback control

【A068】〈若い現代詩〉について

8/14/2015
【A068】〈若い現代詩〉について 時間:130分 音質:2 ジャンル:文学 講演日時:1982年12月8日 主催:詩誌「無限」事業部 場所:明治神宮外苑絵画館文化教室 収載書誌:未発表 音源について 詩誌「無限」を発行していた 株式会社無限が主催。 本講演の3か月ほど前に行われた 講演「若い現代詩」を 引き継ぐものとなっている。 録音者の手元でのノイズが入る。 講演より 街頭で瞬間的に飛び交っていく言葉には、 話し言葉という意味あいと、もうひとつ 「発声状態の言葉」という意味あいがあるような 気がします。 取り交わされた瞬間にとらえられた 「発声状態の言葉」という意味あいで、 街頭で飛び交う言葉を瞬間的にとらえることができれば、 それはそうとうラディカルな言葉になるのではないかと 思います。 このラディカルな状態の言葉をとらえるということは、 現在の詩が当面している とても大きな問題のように思えます。 そのことは、街頭で取り交わされている言葉を、 高度な詩にまで適用できる通路ができてきたということの 証拠なのではないかという気がします。 この講演のテキストを読む

Duration:02:10:56

Ask host to enable sharing for playback control

【A029】親鸞について

8/14/2015
【A029】親鸞について 時間:97分 音質:2 ジャンル:宗教 講演日時:1972年11月12日 主催:大谷大学 学園祭実行委員会 場所:大谷大学 収載書誌:春秋社『〈信〉の構造 PART1』(2004年) 音源について 冒頭部分が欠けており、 前半はテープノイズがひどく、 たいへん聞き取りづらい。 質疑応答は、途中 二度欠落している個所がある。 講演より 親鸞は、「絶対他力」の思想を根底におく、 日本ではたいへん珍しいタイプの思想家だと思います。 僕は、家が浄土真宗だということを除いては、 宗教もイデオロギーも信じていないし、 「自立」ということばかりいうまことに不肖の者ですが、 若いときから親鸞は好きで、 まったく反対なことをいっているとは ちっとも感じられないところがあります。 それはおそらく、親鸞の自己解体の過程が、 「絶対他力が同時に絶対自力というものを包括する」 というところを指し示しているからではないかと 考えられるんです。

Duration:01:37:25

Ask host to enable sharing for playback control

【A067】個の想像力と世界への架橋

8/14/2015
【A067】個の想像力と世界への架橋 時間:83分 音質:2 ジャンル:文学 講演日時:1982年11月13日 主催:現代短歌シンポジウム実行委員会 場所:千代田区一ツ橋・一橋講堂 収載書誌:雁書館『’82現代短歌シンポジウムin東京・全記録』(1983年) 音源について 「’82現代短歌シンポジウムin東京」 として2日間にわたり開催された シンポジウム幕開けの講演。 冒頭、佐々木幸綱氏による 開会の挨拶が収録されている。 録音者の手元ノイズが入っている。 講演より 高橋源一郎さんの『さようなら、ギャングたち』という 作品が問題にしていることは、 現在の詩歌が当面している問題そのものであるといえます。 この作品では、ラディカルな詩の概念というものが、 伝統的な言葉の様式からは出てこないで、 何もかもむなしくされてしまい、 現在の原初的な刺激を 無意識の底から受け入れたときに生まれる言葉から 出てくるかもしれないという考え方が 成り立っているのです。 現在、詩的な表出のすべてが 直面している物語性の解体というところで、 短歌の領域でも同じような問題が...

Duration:01:23:03

Ask host to enable sharing for playback control

【A173】文学の戦後と現在──三島由紀夫から村上春樹、村上龍まで

8/14/2015
【A173】文学の戦後と現在──三島由紀夫から村上春樹、村上龍まで 時間:198分 音質:5 ジャンル:文学 講演日:1995年7月24日 主催:日本近代文学館 後援・読売新聞社 場所:有楽町・よみうりホール 収載書誌:朝日出版社『埴谷雄高・吉本隆明の世界』(1996年) 音源について 恒例で参加していた 「近代文学館・夏の文学教室」 での講演。この年のテーマは 「戦後50年の文学」。客席は満席。 音源は主催者提供。聞き取りやすい。 講演より 文学作品はいつもある時代の作品です。 『源氏物語』は別な面から見ると ものすごいジャーナリズム小説なんです。 当時の誰それが失恋して失踪したとか、 そういう風俗的な事件がとてもよく入っているんです。 いま読むとその面が沈んで 僕らもよくわからなくなっているけど、 よくよく見れば当時あった人が騒いだ事件は ことごとく作品のなかにおさめられています。 そのように、ある作品が長生きするかどうかということは 偶然性にもよりますが、いずれにせよ時代の風俗性と、 永続性みたいなものが両方ないと、 長生きはしないということがいえそうな気がします。

Duration:03:18:49

Ask host to enable sharing for playback control

【A037】情況の根源から

8/14/2015
【A037】情況の根源から 時間:88分 音質:5 ジャンル:情況 講演日時:1976年6月18日 主催:三上治 場所:品川公会堂 収載書誌:三上治「乾坤」創刊号(1976年) 音源について 三上治氏が主催した集会での講演。 クリアに収録されているが テープ欠落のため途中まで収録。 講演より 私たちが当面している情況を考えてみますと、 ひとりの人間としても、職場の組織のなかにおいても、 政治運動のなかにおいても、 当事者にとっては重要で切実な事柄が、 当事者以外の者にとっては切実でもないし 何でもないと思えるという分裂が とても極端だということが、あげられると思います。 この問題は夫婦的な規模で申し上げることも、 国家的な規模で申しあげることもできます。 なぜこういう問題に当面しているのかというと、 古典的な政治・国家像、社会像が崩壊しつつあることが 考えられます。経済的・社会的権力が国家的に組織され、 政治的国家権力自体に対しても、大衆に対しても、 大きな力を及ぼすように変貌しつつあるということは 情況的でもあり、かつ本質的な問題ではないかと 僕には思われます。...

Duration:01:28:52

Ask host to enable sharing for playback control

【A111】荒地派について

8/14/2015
【A111】荒地派について 時間:73分 音質:4 ジャンル:文学 講演日時:1988年8月3日 主催:関東学院大学文学部/関東ポエトリ・センター 場所:関東学院大学葉山セミナーハウス 収載書誌:未発表 音源について 主催者から提供を受けた VHSテープから 音声データを抜き出した。 クリアに収録されているが、 冒頭の司会と前半部に ノイズと残響音がある。 講演より 三好達治の詩でも立原道造の詩でも、中原中也の詩でも、 半ば無意識的に最初の言葉さえぶつけられれば、 そこから意識の持続がある限り詩は成り立って、 持続が終わったときは詩が終わる。 そういうものが一般的に詩と考えられるとすれば、 荒地派の詩人たちが日本の詩のなかにもたらした 方法というのは、 「推敲可能な詩が書ける」ということです。 流れを止めて考え込む、 立ち止まって自分が書いた詩の一行を 自分でじっと検討してみる──そういう詩の書き方が 可能だということをはじめて教えてくれたのが、 荒地派の詩だと思います。 この講演のテキストを読む

Duration:01:13:33

Ask host to enable sharing for playback control

【A017】言葉の根源について

8/14/2015
【A017】言葉の根源について 時間:89分 音質:3 ジャンル:思想 講演日時:1970年5月 主催:桐朋学園 場所:桐朋学園 収載書誌:中公文庫『語りの海3』(1995年) 音源について 桐朋学園土曜講座での講演。 客席から録音されたものだが クリアに収録されている。 途中で声が遠くなるのは 吉本隆明が黒板を使用するため。 講演より 沈黙というと「ぼんやりしている状態」と 思われがちですが、沈黙も言語表現なのです。 ある人が何もしゃべっていなくても、 その人の意識の内部には何かがある、ということです。 黙っていても、その人の 主観的あるいは意識的な状態がわかるとか、 表現されているとか、感じる場合があるでしょう。 それは、沈黙の言語が、内的意識の時間性、空間性に 解体して存在しているからなのです。 外からは憶測するよりしかたがないのですが、 まったく無意味なのではなく、 その人の主観や意識の内部はたいへん満たされていて、 何かしゃべられているのかもしれない、 というようなしゃべり方がありうるわけです。

Duration:01:29:25

Ask host to enable sharing for playback control

【A026】自己とは何か──キルケゴールに関連して

8/14/2015
【A026】自己とは何か──キルケゴールに関連して 時間:113分 音質:2 ジャンル:思想 講演日時:1971年5月30日 主催:大学セミナーハウス 場所:新宿・紀伊国屋ホール 収載書誌:弓立社『敗北の構造』(1972年) 音源について 第38回大学共同セミナーで講演。 テープ劣化のためノイズが多く、 音質はよくない。 講演より 結婚して子どもを生み、そして子どもに背かれ、 老いてくたばって死ぬ、そういう生活者を もしも想定できるならば、 そういう生活のしかたをして生涯を終える者が、 いちばん価値がある存在なんだ──人間存在の 価値観の規準はそこにおくことができると、 僕は考えました。 だから、もっとも価値ある生き方とは何かと問われたとき、 日々繰り返される生活の問題以外には あまり関心を持たないで、生まれて老いて死ぬという 生き方がもっとも価値ある生き方だ、 というほかはありません。 どんな人間でも、大なり小なりその規準からの逸脱として、 食い違いとして、生きていくわけですが、 キルケゴールなんかには ぜんぜん関心がないという生き方は、...

Duration:01:53:12

Ask host to enable sharing for playback control

【A168】「知」の流通──「試行」刊行から34年……現在

8/14/2015
【A168】「知」の流通──「試行」刊行から34年……現在 時間:121分(うち質疑応答26分) 音質:3 講演日時:1995年2月10日 主催:地方・小出版流通センター 場所:幕張プリンスホテル 収載書誌:未発表 音源について 地方・小出版流通センター 20周年記念イベントの講演。 やや音声が曇っているが 比較的クリアに収録されている。 講演より 流通のやり方を決めていく決め手というのはもちろん 上のほうから決まっていくのが常道ですが、 消費資本主義、現在の高度な資本主義が突入した段階から いいますと、逆が成り立つということです。 つまり「価格破壊」が成り立つのであって、 それは別の言葉でいえば、 「消費者第一主義」ということを意味します。 消費資本主義の段階で誰が価格を決めるのかというと、 消費者が決めるわけです。 それにいちばん近いかたち、いちばん便利で安いかたちで 提供を受ける権力というのはどこなんだとか、 やり方はあるのかというのは、 僕が「試行」という雑誌をはじめてから 一生懸命考えてきたことです。 その原則、原理だけはいまでも通用すると思いますし、...

Duration:02:00:59

Ask host to enable sharing for playback control

【A051】〈アジア的〉ということ

8/14/2015
【A051】〈アジア的〉ということ 時間:133分 音質:5 ジャンル:思想 講演日:1979年7月15日 主催:北九州市小倉・金榮堂 場所:北九州市小倉・毎日会館ホール 収載書誌:弓立社『document 吉本隆明 1号』(2002年) 音源について 北九州小倉にある書店、金榮堂の 創立65周年記念として行われた。 暑いなか450名がかけつけた。 音源は主催者提供。かなりクリア。 講演より アジア的地域では、極端にいいますと、 村落共同体が世界の広さであり、 地球が世界の広さではないのです。 自分の利害の関係のないところで どんなことが行われようと、 自分のところに響いてこなければ関係ないよという 考え方は、みなさんのなかにもあるでしょう。 アジア人はぜんぶ思い当たるはずです。 それは一見すると、超近代的なかたちで 若い人たちのあいだでも 出てくるかもしれませんけれども、 それには二重性がある、 それは〈アジア的〉心性かもしれないと 疑ったほうがいいと思います。 個々の人間の意識の働かせ方のなかに、 やはり〈アジア的〉な村落共同体的な要素は残っています。...

Duration:02:13:16

Ask host to enable sharing for playback control

【A110】普遍映像論

8/14/2015
【A110】普遍映像論 時間:104分 音質:3 ジャンル:思想 講演日時:1988年6月3日 主催:京都精華大学 学生部 場所:京都精華大学 収載書誌:未発表 音源について 京都精華大学大教室。 一般の人にも開放され、 他大学の学生の参加も多かった。 音源は主催者から提供だが ライン録音ではない。 講演より 言葉の表現者であり、 同時に死の経験者である──そのふたつのことを 兼ねている文学者がいます。 日本では島尾敏雄という作家です。 もうひとりは、ドストエフスキーです。 この人たちの体験と表現のなかには、 死の体験のイメージと、 死の体験から生きて帰ってきたイメージと、 文学作品としての言葉の芸術が 一身に兼ねられているのです。 そのなかのイメージの構造と作品の構造との関わりあいを 取り出すことができるならば、 いっぺんに解けてしまう問題があるわけです。 この講演のテキストを読む

Duration:01:44:55