”国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。”とはじまってゆき、”「この子、気がちがうわ。気がちがうわ。」・・・・”と、終わってゆく。雪にはじまり、炎におわる、薫りたつような一編。うつろいゆく愛を描いた、すみずみまで美しくエロティックなこのノーベル文学賞受賞作を、俳優であり、また「『木を植えた人』を聴くプロジェクト」等で知られる朗読家である 榊原忠美が、じっくりとよみあげました。”・・・踏みこたえて目を上げた途端、さあと音を立てて天の河が島村のなかへ流れ落ちるようであった。”...