千駄木・蛍沢に、「源氏長屋」と呼ばれる奇妙な屋敷があった。主人の鈴川主水をはじめ、弟子の佐野松、若衆姿の杵太郎まで、住人は揃って目を見張るほどの美男ばかり。ところが、華やかな噂とは裏腹に、屋敷には不気味な出来事が続いていた。佐野松は日に日に痩せ衰え、夜ごと怪しい影が現れる。そしてついに、佐野松が何者かに殺される。現場に残された牡丹刷毛。杵太郎のものと思われる剃刀。屋敷の周囲をさまよう謎の女・お葉。無口な下男・猪之松と、すべてを冷ややかに見つめる主人・鈴川主水。さらに、真相へ近づいた平次と八五郎の前で...